過去の市民講演会

東北・北海道支部 だより(2013年度市民講演会)

 平成25年度東北・北海道支部市民講演会は2013年11月9日(土)13時30分から盛岡市子ども科学館で開催した。これまでの支部主催の市民講演会は、主に一般市民を対象にした講義形式で行ってきたが、全般的に参加者数が少ないという問題点があった。昨年の山形市での開催では、小中学校生徒への理科教室を併設したところ好評であった。そこで今回は対象を小学生とその保護者に絞り、低温・超電導を含む科学技術の理解増進を目的に、集客が見込める「盛岡市子ども科学館」を会場に実験を中心とした参加型講演会として実施した。参加者は小学校生徒とその保護者約20名を含む35名であった。
 講師は高エネルギー加速器研究機構の細山謙二氏にお願いし、「磁石の不思議を探ろう」とうタイトルで実施した。最初にプラネタリウムの天井面を使って細山氏から磁石の不思議や超電導のおもしろさについて説明を受け、その後、超電導コースター、超電導体浮上と吊り下げ(支部の教育予算で作成)、金属の電気抵抗の違いによる渦電流効果、永久磁石の着磁実験、磁性体の温度上昇による消磁、磁性体を使ったお湯エンジン、液体酸素製造など盛りだくさんの実験を体験した。実験では岩手大学学生10名のアシスタントとともに高エネルギー加速器研究機構の小島裕二氏に協力頂いた。
 岩手県は北上高地が国際リニアコライダー(ILC)の国内最終候補地に決定し、低温や超電導に対する関心が高い。市内5小学校へのチラシ配布、子ども科学館や市のHPでの宣伝、さらに前日夕方にはNHKのローカル番組でスポット宣伝して頂き、万全の宣伝活動で臨んだが、当日は雲一つ無い晴天の紅葉狩り日和で、それが災いしてか参加者が期待よりは少なかったのが残念であった。それでも参加した小学生は、体験を通して磁石や超電導の不思議を楽しんだ。


酸素の液化実験に見入る子どもたち

(岩手大学:藤代博之)


2013年度 市民講演会のご案内

 低温現象や超電導技術は、日常生活においてはまだまだ馴染みの少ないものです。本講演会は、小学生とその保護者をターゲットとして、低温・超電導を含む科学技術の理解増進を目的に、「盛岡市こども科学館」のサイエンスドームを会場に、実験を中心とした参加型講演会を開催します。どうぞ奮ってご参加下さい。

テーマ
磁石の不思議を探ろう
日 時
平成25年11月9日(土) 13時30分から15時
会 場
盛岡市こども科学館サイエンスドーム(盛岡市本宮字蛇屋敷13-1)
定 員
100名
参加費
無料
プログラム
 
開会挨拶
支部長 渡辺和雄(東北大学)
 
講演と演示 「磁石の不思議を探ろう」
高エネルギー加速器研究機構 細山謙二氏
 
ー 講演の主旨 ー
 
 
 私たちの身近にある磁石には、地球のつくる磁場で南北の方向を差したり、鉄などを引き付けたりしますが、温度を上げていくと磁石に付かなくなる性質があります。また、液体酸素は磁石に付きますが、水は非常に弱いながら磁石に反発します。このような磁石はコイルに電流を流すことによってつくることが出来ますが、逆に、磁石がつくる磁場の中でコイルを動かすことで電気を起こすことができます。これらの磁石のもつ性質は日常の生活の中で幅広く応用、利用されています。簡単な実験装置で、磁石のもつ不思議な性質を実際に体験してみませんか。
問い合わせ
岩手大学工学部マテリアル工学科 藤代博之
〒020-8551 盛岡市上田4丁目3-5
TEL&FAX:019-621-6363
E-mail:fujishiro[@]iwate-u.ac.jp
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