過去の若手セミナー

平成 21 年度 東北・北海道支部 第14回 超伝導・低温若手セミナー 支部だより

 東北・北海道支部主催の第14回超伝導・低温若手セミナーが8月28日(金)~29日(土)の2日間にわたり開催された。本セミナーは企業の若手研究者や大学生など超伝導を学び始めた人たちに超伝導および低温工学の基礎を習得してもらうことを目的として毎年開催されているものである。14回を数える今回は昨年度から始めた新テーマの2回目として「ここまで進んだ超伝導(2)ー超伝導材料の基礎と先端研究ー」を掲げて、1日目は新潟大学、2日目は新潟市ウェルサンピア新潟にて超伝導材料研究の第一人者の先生方3名に講義をお願いした。今年度は、大学関係者を中心に学生24名を含む33名の方にご参加いただき、活発な議論と親近感溢れる深い交流がなさらた。

 初日は濱島支部長の挨拶の後、はじめの講義として「超高圧下における超伝導のマテリアルサイエンス」と題して新潟大学理学部の山田裕先生にご講義いただいた。超伝導の基礎から超伝導材料の超伝導特性への圧力効果、さらに最新の超伝導材料研究について凝縮された内容の丁寧な解説であった。参加学生の研究テーマは材料分野から強電応用まで幅広かったが、山田先生の講義はその面でも非常に細かい配慮がなされており、基礎から先端研究までを一通り俯瞰して理解することができた。講義1に引き続き、3年前から始まった学生研究発表が行われた。秋田県立大学二村先生の進行によって学部生から博士課程までの参加学生たちが自身の研究について発表を行った。発表6分という限られた時間であったが研究の要点が凝縮されており、各発表において学生および教員から活発な議論が交わされた。なお、講義1と学生研究発表の間の休憩時間を利用して、新潟大学の超伝導応用研究室の見学が行われた。1日目の夕刻から、ウェルサンピア新潟に移動した。夕食・懇親会そして2次会と、徐々に学生諸君らも打ち解けていき、新潟の地酒を囲みアットホームな雰囲気の中、夜更けまで話は尽きなかった。

 2日目はウェルサンピア新潟内の研究室にて行われた。講義2として「高温超伝導材料と線材の基礎ーピンニング特性を中心にー」と題して九州大学の向田昌志先生にご講義いただいた。高温超伝導体内部の磁束ピンニングの基礎から最新の人工ピンニングまで充実した内容であった。講義の中では、向田研究室の大学院生の研究成果が随所に紹介されており、受講学生にも刺激のあるものであったと思われる。最後の講義として新潟大学の岡徹雄先生に「高温超伝導バルク材料の基礎と応用」と題して高温超伝導バルクに関するご講義をいただいた。高温超伝導バルク材料の合成方法からバルク磁石の応用機器まで実践的な内容の講義であった。講義終了後には濱島支部長から受講学生全員に修了証書が手渡された。その後初日の学生研究発表における優秀発表者として、今年度は中川和哉君(山形大学)、千葉悠太君(東北大学)、鈴木喜也君(新潟大学)、山崎英誠君(新潟大学)の4名が表彰された。

 本セミナーは、例年、参加者全員が打ち解けた雰囲気で活発な議論が行われるが、それは今年度も同様であった。また、講師の先生方にはお忙しいなか講義資料を作成していただき、この場をお借りして暑く御礼申し上げます。本若手セミナーは来年度以降も予定され(2010年度は北海道で開催予定)、学生、若手研究者・技術者の皆様多数のご参加をお待ちしております。

(新潟大学 福井 聡)

平成 21 年度 東北・北海道支部 第14回 超電導・低温若手セミナーのご案内

 本セミナーは大学や企業の若手研究者や学生を対象に、超伝導の基礎から、超伝導体を用いた線材やデバイス、またそれらに関連する低温技術、超伝導の多方面への応用を理解することを目的に毎年開催されています。昨年度から引続き今年度も「ここまで進んだ超伝導」をテーマに超伝導の特性について基礎から応用の最先端までを、それぞれの分野の一流研究者を講師に招いて分かりやすく講義をしていただきます。
また、初日には学生参加者を対象とした学生研究発表(1人10分程度)を行い、優秀発表者には表彰をおこないます。
 本セミナーは、参加者と講師との交流を深めるために宿泊形式としています。多数の学生、若手研究者、技術者に参加をお願いし、一層深い議論と交流を期待します。

主 催
低温工学協会 東北・北海道支部
テーマ
ここまで進んだ超伝導(2) ー 超伝導材料の基礎と先端研究 ー
日 時
2009年 8月 28日 (金) ~ 29日 (土) 1泊2日
会 場
【8月28日 (金) 】新潟大学 総合教育研究棟・物質生産系・161講義室
   〒950-2181 新潟市西区五十嵐二の町8050
   アクセスの詳細は URL:http://www.niigata-u.ac.jp/top/access_map.htmlをご覧ください.
【8月29日 (土)】 ウェルサンピア新潟
   〒950-2261 新潟市西区赤塚4627-1  TEL 025-239-3232
   アクセスの詳細は URL://http://www.kjp.or.jp/hp_57/ をご覧ください.
プログラム
【1日目】8月28日 (金)  新潟大学・総合教育研究棟・物質生産系・161講義室
 
13:00
13:10  
開会式
 
 
13:10
14:30  
講義1トピックス
「超高圧下における超伝導のマテリアルサイエンス」

山田 裕(新潟大)
 
14:30
15:00  
新潟大学・超伝導応用研究室 公開  (自由見学)
 
 
15:00
17:30  
学生研究発表(プログラムは当日配布、1人発表5分 質疑1分)
 
17:40
   
宿泊施設へ移動(バスで送迎)
 
19:00
21:00  
夕食・交流会・研究室紹介(於 ウェルサンピア新潟)
 
【2日目】8月29日 (土) ウェルサンピア新潟・研修室
 
9:00
10:30  
講義2「高温超伝導材料と線材の基礎 -ピンニング特性を中心に-」
向田 昌志(九州大)
 
10:30
11:00  
休憩
 
 
11:00
12:30  
講義3「高温超伝導バルク材料の基礎と応用」
岡 徹雄(新潟大)
  12:30 12:45  
修了式(終了後、バスで新潟駅まで送迎)
問合せ先
新潟大学・大学院自然科学研究科 福井 聡
E-mail : fukui@eng.niigata.-u.ac.jp TEL : 025-262-6731 FAX : 025-262-6731
備  考
講義演題は若干変更になる場合があります.
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