東北・北海道支部 だより(2009年度市民講演会)
東北・北海道支部の2009年度市民講演会は、11月14日(土)午後に北海道大学・情報科学研究科棟の11F会議室で開催されました。札幌での開催は1999年に続き2回目です。今回の講演会はテーマを「超電導応用と照明応用ー先端の話題と身近な話題ー」として、“超電導応用”と“照明応用”をキーワードに、日常生活では馴染みの少ない話題を2人の先生にお話しいただきました。
最初に、鉄道総合技術研究所・材料技術研究部超電導応用研究室・富田優室長に「超電導バルク体の17テスラ(T)の高磁場発生に至まで」と題して講演いただきました。超電導バルク体を着磁する際に内部応力が原因で生じる特性劣化を、樹脂含浸技術を開発して解決した話がありました。さらに当時報告されていた14T着磁の壁を越えるために樹脂含浸に加えて金属含浸によって発熱の問題を解決、17.24T着磁の記録に至までの玄人研究のエピソードを交えてお話いただきました。質疑応答では高磁場下での除熱等の学術的な質問以外に、直面した多くの壁を乗り越えるためのモチベーションについても質問があり、聞いていた学生さんは色々とためになったと思います。
次に、北海道大学大学院工学研究科 北方圏環境政策工が宇専攻の萩原亨先生に「ヘッドライトとドライバの視認性」と題して講演をいただきました。ヘッドライトは対向車対策で若干左向きのため、特に右カーブでの前方視認性が非常に悪くなります。ヘッドライトを左右に振り、カーブ時に曲がる先を照らす技術についてお話いただきました。既にこの技術を採用している車種もあること、今後LEDランプの使用で今までできなかったヘッドライトの照らし方が可能になること等の話がありました。質疑応答では車はどんどん進化していて、人は自分が車を運転している気でいるが、実は多くの技術の下で車が運転してくれているだけになりかねない旨の話もありました。
あいにくの悪天候で参加者数は伸びませんでしたが、資料請求の市民の方を含めて全体で20数名の参加でした。最後に場所を準備していただいた北大の関係者、講師を含め遠方から来ていただいた方々、後援・PRしていただいた札幌国際プラザに感謝いたします。
2009年度 市民講演会のご案内
2009年度 東北・北海道支部の市民講演会を下記の要項にて開催致しますので、奮ってご参加くださいますようご案内申し上げます。
『市民講演会』
テーマ | : | 超電導応用と照明応用 ー 先端の話題と身近な話題 ー |
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日 時 | : | 2009年11月14日(土)14時~16時 |
会 場 | : | 北海道大学 情報科学研究科棟 11F会議室(札幌市北区北14条西9丁目 地下鉄北18条駅から徒歩10分) |
参加費 | : | 無料 |
問合先 | : | 北海道工業大学 電気デジタルシステム工学科 槌本昌則 TEL:011-688-2315 |
プログラム |
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*支部長 開会挨拶 |
濱島高太郎 |
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*講演1「超伝導バルク体の17テスラの高磁場発生に至るまで」 |
富田 優 氏(鉄道総合技術研究所) |
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*講演2「ヘッドライトとドライバの視認性」 |
萩原 亨 氏(北海道大学大学院工学研究科) |