過去の市民講演会

東北・北海道支部 だより(2005年度市民講演会)

 低温工学協会東北・北海道支部主催の第7回2005年度市民講演会が、11月5日(土)せんだいメディアテーク7階スタジオシアターにおいて開催されました。本市民講演会は、低温工学の啓蒙活動として、日頃低温工学とは縁の薄い一般市民や大学・高校生等を対象に、低温技術や超伝導技術が社会にどの様に活用されて役に立っているのかを理解してもらい低温工学への関心を抱いてもらうことを目的に開催されています。今回は7回目で、再び仙台で開催の運びとなりました。1999年と2000年に第1回(超伝導・極低温技術と私たちの生活)と2回(生命科学・医療応用と低温工学)を仙台で企画する栄誉を与えていただき、第3回札幌、第4回盛岡、第5回いわき、第6回米沢と続いて、第7回として「未来を拓く宇宙利用とロボット工学」と題して企画致しました。参加者は61名で、そのうち一般市民の参加者は17人でした。

 市民講演会は2時に開演で、二人の講師をお招きして始まりました。大嶋重利支部長には、開会の挨拶とその後の講演の司会を受け持っていただきました。第1部として2時10分から1時間にわたって「安心・信頼社会形成への宇宙利用宇宙へ、宇宙で、そして私達のために」の演題で、東京工業大学大学院理工学研究科教授の小田原修先生に、近未来計画としての有人火星探査や静止軌道上における大規模な太陽光発電衛星開発、地球外資源の有効利用技術開発を本格的に遂行するために、先行的研究開発を推進し、宇宙利用と日常的環境との連携を強めた教育研究を実践する取り組みの一端を紹介していただきました。無重力での実験風景を興味ある写真を用いて説明していただき、宇宙服の開発など宇宙に適用する新素材や機能性がどのように求められているのかが理解できました。

 第2部では、3時40分から1時間の持ち時間で「ロボットが拓く未来」と題して、東北大学大学院工学研究科教授の小菅一弘先生に、産業用ロボットの発達や、最近のロボット技術がどのように社会で利用されているか、そして今後の可能性について紹介していただきました。名古屋万博において、NEDOロボットプロジェクトにおけるダンスをするロボット開発に挑戦する様子は、小菅研究室の研究雰囲気が伝わってくるような開発風景でした。

小田原修先生の講演は、北支部の維持会員である真壁技研の大石敏文さんのお世話で企画立案しました。一方、小菅先生の講演は、たまたま渡辺が小菅先生と一緒の1泊人間ドックになった機会を生かして、数年後の市民講演会を小菅先生に予約していたものです。講師の先生方には、多忙中にも拘らず豊富な図と写真を準備していただき、市民講座の位置づけで平易に説明をしていただきましたこと、ここに改めて御礼申し上げます。お陰様で、20人に迫る一般市民からの参加もありました。せんだいメディアテークという仙台市立図書館と一体になった建物で、地の利の良さがあったからこそと思います。いかに事前の宣伝、そして講演場所の選定が大事であるのかを物語っています。

(東北大金研 渡辺和雄)


2005年度 市民講演会のご案内

 今回は、東北・北海道支部10周年記念事業(11月 4日(金)於:東北大学金属材料研究所)に引き続いて開催いたします。東北・北海道地域以外の方々の参加もお待ちしております。

市民講演会ポスターはこちらです

『市民講演会』

テーマ
未来を拓く宇宙利用とロボット工学
日 時
2005年11月 5日(土)14:00 ~ 16:30
会 場
せんだいメディアテーク 7階 スタジオシアター(仙台市青葉区春日町2-1)URL: http://www.smt.city.sendai.jp/
参加費
無料
問合先
東北大学金属材料研究所 渡辺和雄
〒980-8577 仙台市青葉区片平2-1-1
Tel:022-215-2150, e-mail:kwata@imr.tohoku.ac.jp
プログラム
 
1.開会挨拶
    支部長 大嶋重利
 
2.第1部「安心・信頼社会形成への宇宙利用 ー宇宙へ、宇宙で、そして私達のために」
    東京工業大学大学院理工学研究科 教授 小田原 修 氏

 

要 旨: 
 近未来計画としての有人火星探査や静止軌道上における大規模な太陽光発電衛星開発、地球外資源の有効利用技術開発を本格的に遂行するために、先行的研究開発を推進し、「宇宙利用」と日常的環境との連携を強めた教育研究を実践しなければならず、本講演ではそれらの取り組みの一端を紹介する。

 
2.第2部「ロボットが拓く未来」
    東北大学大学院工学研究科 教授 小菅一弘 氏

 

要 旨: 
 産業用ロボットの発達とともに、ロボット技術はいろいろなところで利用されるようになった。本講演では、最近のロボット技術と、それがどのように社会で利用されるかについて紹介するとともに、今後の可能性について考える。

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