過去のサマーセミナー

平成28年度 

東北・北海道支部 第21回超電導・低温若手セミナー

 本セミナーは大学や企業の若手研究者や学生を対象に、超伝導の基礎から、超伝導体を用いた線材やデバイス、またそれらに関連する低温技術、超伝導の多方面への応用を理解することを目的に毎年開催されています。昨年度から引続き今年度も「超電導の基礎と最先端応用技術を学ぶ」をテーマに超伝導の特性について基礎から応用の最先端までを、それぞれの分野でご活躍中の研究者を講師に招いて分かりやすく講義をしていただきます。
また、初日には学生参加者を対象とした学生研究発表(1人10分程度)を行い、優秀発表者には表彰を行います。多数の学生、若手研究者・技術者に参加をお願いし、一層深い議論と交流を期待します。

テーマ:超電導の基礎と最先端応用技術を学ぶ(3)
日 時:2016年 9月 26日 (月) 〜 27日 (火):1泊2日
場 所:朱鷺メッセ 303・304会議室
    〒950-0078 新潟市中央区万代島6-1
    アクセスの詳細はURL: https://www.tokimesse.com/visitor/access/をご覧下さい
主 催:(社)低温工学協会 東北・北海道支部

プログラム
[1日目] 9月26日(月)
 13:00〜13:10 開会式 
 13:10〜14:25 講義 I 「超電導バルクの性質と着磁現象」藤代 博之 先生  (岩手大学)
 14:25〜14:40 休憩
 14:40〜15:55 講義 II 「超電導フライホイール蓄電システム実証機の開発」小方 正文 氏  (鉄道総研)
 15:55〜16:10 休憩
 16:10〜18:00 学生研究発表
 19:00〜21:00 交流会

[2日目] 9月27日(火)
  9:00〜10:15 講義 III 「高温超伝導交流回転機の実現に向けた交流損失低減手法」福井 聡 先生 (新潟大学)
 10:15〜10:30 休憩
 10:30〜11:45 講義 IV 「高温超伝導誘導同期電動機の研究開発」中村 武恒 先生 (京都大学)
 11:45〜12:00 修了式

参加費:一般 5,000円,学生 3,000円 (テキスト代を含む)
申込方法:E-mailまたはFAX にて、氏名、所属(学生の場合は学年と指導教員名)、連絡先住所、電話番号、E-mailアドレスを下記 福井宛にご連絡ください。
参加費:当日現金でお支払ください。
交流会:詳細は別途連絡致します。
申込・問合せ先:新潟大学・ 工学部・電気電子工学科 福井 聡
        E-mail: fukui@eng.niigata-u.ac.jp
        Tel: 025-262-6731 Fax: 025-262-6731
備考: 講義演題は若干変更になる場合があります。

平成27年度 

東北・北海道支部 第20回超電導・低温若手セミナー

 東北・北海道支部第20回超電導・低温若手セミナーが2015 年28日(月)〜29日(火)の2 日間に渡って札幌市北区東茨戸のホテル「ガトーキングダム サッポロ」で開催されました。参加者は,講師3 名に加えて,学生7名(うち大学院生5名,学部生2名),大学関係者12 名の計22 名でした。本セミナーは大学や企業の若手研究者や学生を対象に,超電導の基礎から,超電導体を用いた線材やデバイス,また,それらに関連する低温技術や応用技術を理解することを目的に毎年開催されています。今回は,シリーズ企画「超電導の基礎と最先端応用技術を学ぶ」の第二弾として,「高温超電導線材」をテーマに,各種超電導線材の基礎特性から送電線応用に至るまでの最先端技術について,それぞれの分野でご活躍中の研究者を講師としてお招きし,分かりやすく講義していただきました。
 初日前半は,中島支部長挨拶の後,「Y系テープ線材の基礎」という題目で東北大学の淡路 智氏にご講義いただきました。最初の超電導の歴史に続いてRE系超電導材料の基礎物性,低温超電導線材の設計製造手法,RE123線材の長尺化・人工ピンから応用の現状と課題について説明がありました。
 初日後半は学生参加者による研究発表(大学院生:発表10 分+質疑応答5 分,学部生:発表7 分+質疑応答3分)が行われました。講師・参加教員で採点を実施した結果,岡 大輝君(山形大学M1)が優秀発表者として選ばれました。その後,夕食を挟んで2次会は夜中まで続き、親睦を深めました。特に学生たちは寝食を共にすることで親睦が深まり,いい体験ができたと思います。
 2 日目前半は「ビスマス系酸化物高温超電導線の基礎」という題目で住友電気工業株式会社の小林慎一氏にご講義いただきました。ビスマス系高温超電導線の製法からBi-2223超電導線や電気特性・機械特性・熱特性から応用までの話がありました。長年開発に携わってこられた立場から長尺化と性能向上の苦労話がありました。
 2 日目後半は「超伝導直流送電と石狩における実証試験」という題目で中部大学の筑本知子氏にご講義いただきました。超伝導直流送電のメリット紹介の後,現在進められている石狩プロジェクトのシステム設計・進捗状況・断熱管の構造やケーブル・電流リード・冷却系の設計,海外での他プロジェクトについて話がありました。ケーブルの熱収縮対応以外にも公道使用許可や設置工事での苦労話がありました。
 最後に閉会式が行われました。中島支部長から本セミナーの総括があった後,学生優秀発表者に対して若手奨励賞が授与されました。
 昼食後に希望者で石狩プロジュクトの見学を約1時間程行いました。講義で話があったばかりの回線1の稼働の様子やほぼ完成した回線2を見学しました。当日の天候は不安定でしたが、どうにか無事に見学を終了できました。実用を目指した超伝導直流送電の設備を実際に間近で見ることができ、よい経験になったと思います。
 最後に講師の皆様には,多忙な中講師をお引き受けいただいた上にテキストまで作成していただきまして有難うございました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。来年度の若手セミナーは新潟で開催される予定です。普段の学会ではパラレルセッションのため自身の研究と異なる分野を聴講出来ない場合が多いですが,若手セミナーは一つのテーマには絞られますが基礎から応用に至るまで一度に学ぶことができる良い機会になると思います。多くの学生さんの参加をお待ちしています。


講義の様子

石狩プロジェクトの見学の様子


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